レーザーポインターの光は一体どこまで届いて見えるのか?
レーザーポインターとは離れた場所をレーザー光を照射する事によりポイントするツールですが、果たしてそれはどれくらいの距離まで届くものなのでしょうか?
レーザーポインターの照射距離とはレーザー光が届く距離ですから、届いた所で見えなけれならない訳です。
しかしながらその見え方も特に決まっていないので、 「 見えた! 」 と言った者勝ちなのが現状です。
だから先ず一つの結論としてお伝えしたいのは、現状でのレーザーポインターの照射距離とは定義が無いので言った者勝ちのあくまでも目安であると言う事です。
電池は新品、そして周囲が真っ暗な暗室だとして、クラス2の赤色光レーザーポインターだと照射距離は50m、緑色光レーザーポインターだと200mくらいが一つの目安なのでは無いでしょうか。
こちらでは折角ですので、ここでは照射距離に関係の深い、視覚、波長、ビーム拡がり角、出力、の4つに分解して詳しく考えてみたいと思います。
目次
レーザーポインターの照射距離と視覚の関係
見えた見えないで判別するのであれば、何にレーザー光を照射するかで結果は異なると言う事に注意しなければなりません。
それは見えると言う視覚現象は、光源・物体・視覚と言う三要素を1セットで考えなければならないからです。
ここではレーザーポインターと言う光源を比較している訳ですから、物体と視覚を固定しなければなりません。
レーザー光を照射するのも同じ様に反射する物体を使用したり、それを同じ視力の人が見なければアンフェアとなってしまう訳ですね。
周囲の明暗やその他の状況も影響してしまうのかと思われます。
レーザーポインターの照射距離と波長の関係
レーザー光が届いたかどうかを人間の目で見るのであれば、レーザーポインターの波長は重要です。
何故ならば人間の目は光の波長=色によって見え易さが異なるからで、この特性は比視感度と呼ばれています。
人間が見える可視光は青く見える短い波長から段々と見え易くなり続け、緑の波長が見え易い頂点となり、そこから段々と赤く見える長い波長の先で見えなくなってしまうのです。
例えば532nmの緑色光レーザーポインターは、650nmの赤色光レーザーポインターの波長を比べると大凡8倍見え易い結果となるのです。
だから単純に考えると532nmの緑色光レーザーポインターは、650nmの赤色光レーザーポインターよりも照射距離は8倍となるはずなのです。
レーザーポインターの照射距離とビーム拡がり角の関係
普通のライトであればその光はどんどん広がってしまい、ちょっと離れた所でも、その光が広がり過ぎた結果として、目には光が届いていない様に見えてしまいます。
しかしながらレーザーポインターはレーザー光ですから、その光は ” 結構 ” 真っ直ぐ飛んでいきますので、その分 ” 結構 ” 離れた所まで届いていくのです。
この ” 結構 ” と言うのがビーム拡がり角と言う、レーザー独特の一つの仕様となります。
理化学向けや産業向けのレーザー機器であれば、このビーム拡がり角は仕様値として保証されています。
しかし残念ながらシビアな用途向けでは無いレーザーポインターは、ビーム拡がり角など一切保証されていません。
実際は商品毎に、また同じ商品の中でも個体差が有るでしょう。
だから結局は測定しなければわかりませんので..ビーム拡がり角と言う仕様は影響度が高いのですが、今回は考えるのを諦めるしかありません。
レーザーポインターの照射距離と出力の関係
ビーム拡がり角を考慮せず、同じ波長のレーザーポインター同士であれば、その照射距離は出力と言う仕様に比例します。
だから1mWのレーザーポインターと比べると、10mWの製品は照射距離は10倍になるはずです。
レーザーポインターの照射距離のまとめ
ザックリとまとめますと、レーザーポインターの照射距離についてこちらがまとめとなります。
- 照射距離は言った者勝ちのあくまでも目安
- クラス2だと赤色光レーザーポインターで50m、緑色光レーザーポインターで200mほどが一つの目安
- 照射は同じ物体と視覚を用いて測定しなければアンフェア
- 緑色の波長は赤色の波長の大凡8倍見え易い
- ビーム拡がり角は影響度が高いが考慮出来ない
- 照射距離は出力に比例する
だからそもそも見えた見えないでは無く、厳密にはパワーメーターなどで測定して◯◯mW以上を届いた事とするとして統一していきたいものですね。