緑色の光が出てくるグリーンレーザーポインターの仕組みはどうなっているのでしょうか?
人間の目に見え易い色である緑色光を発振するグリーンレーザーポインター。
何で赤色光のレーザーポインターより大きいのでしょうか?
そして値段が高いのでしょうか?
こちらではそんな素朴な疑問の答えに繋がる、緑色光のグリーンレーザーポインターの仕組みを解説していきたいと思います。
目次
レーザーと光の色でよくある勘違い
スポットライトなどの光源の前に、赤い色や緑色のフィルムを通すと光の色が赤くなったり緑になったりしますよね?
あれは元々の光に赤い波長や緑の波長の光が混ざっていたので、フィルムによりその波長が選別され、その色の光だけが見えているのです。
しかしながらレーザーは特殊な光です。
レーザーにはその色の波長の光しか含まれていないので、違う色のフィルムを通しても色は変わりません!
つまりレーザーとして使いたいのであれば、その様にフィルムなどで選別するのでは無く、その色を発する波長の光を生み出さなければならないのです。
赤色光と青色光のレーザーポインターは単純な仕組み
実は赤色光と青色光のレーザーポインターはとても簡単な構造で、単純化して説明すればそれぞれのレーザーダイオードに電源とスイッチを接続しただけのものと考えられます。
しかしながら緑色光を発振するレーザーダイオードは、つい数年前まで流通していませんでした。
赤色光のレーザーダイオードはCDやDVDなどの光ディスクへの書き込みや読み取りに使用されたり、その他にも世の中に需要が有ったので開発され、そして流通していたのです。
そして青色光のレーザーダイオードは..そうです、ブルーレイディスクに使用されていましたよね。
赤色光と青色光の間の波長となる緑色光のレーザーダイオードは、それらの様な実用途には中途半端だったので取り残されてしまったのです。
レーザーポインターの為だけにレーザーダイオードを開発するのは割に合いませんので、緑色光のレーザーダイオードの流通は適当な実用途が見つかるまでかなり待たされる事となってしまったのです。
今迄の緑色光のグリーンレーザーポインターの複雑な仕組み
だから緑色光のレーザーを出すには、流通しているレーザーダイオードを使い、別の波長から緑色光へと波長変換をしなければならなかったのです。
そのイメージは下図の通りです。
①は電子回路が載っているプリント基板です。
①が電気的な仕事をし、②〜④で光学的に緑色光の光を作り出しているのです。
②は赤外域808nmの波長を発振する、通信分野などで使われているレーザーダイオードです。
②から出てきた光を、③の非線形結晶(YAG)で1,064nmへ変換し、(倍波、第二高調波)、④の結晶(KTP)で第二高調波532nmに変換し、緑色光のグリーンレーザーとなるのです!
因みに赤外域の波長は熱的エネルギーが強いので光学結晶を膨張させるなどの作用を与えてしまい、それにより波長変換がふらついてしまい、結果として出力もふらつく様になってしまいます。
だから⑤の箇所にハーフミラーを設置し、⑥のフォトダイオードで出力をモニタリングし、電気的に制御を掛けると言うフィードバック回路を設けるのが普通です。
どうでしょうか?
更にその様に力尽くで緑色光にしていたので電気の消費が激しく、結果として電池寿命が短かったのですよね..。
これからの緑色光のグリーンレーザーポインター
実はここ数年でレーザープロジェクターやレーザーTVなどの開発のお陰で、緑色光のレーザーダイオードも流通する様になってきました!
緑色光もその波長のレーザーダイオードを使用すれば、赤色光や青色光のレーザーポインターの様に単純な構造とする事が可能です。
しかしながら緑色光のレーザーダイオードの流通量がそれ程では無いので未だ未だ流通価格が高く、旧タイプの大幅な値下げがかなり強い為にせめぎ合いとなっているのが市場での現状です。
いずれにせよここ1年で旧タイプも新タイプも、驚くほど価格が下がってきているので最早買い時だと言えるのでは無いでしょうか。
その中でもこちらは業界で最長時間である80時間の電池寿命を謳っている緑色光のグリーンレーザーポインターです。
最後に一つ注意です。
だから新タイプはエメラルドグリーンと謳われる事が多く、532nmよりかは視認性が若干劣ってしまうのですが、綺麗な色調が特長となっています。
これからは新タイプの緑色光のグリーンレーザーポインターの方が勿論魅力的ですが、旧タイプの値崩れにも注目していきたいところですね。